2022-03-02

ヨガニドラ・「ヨガの眠り」は思った以上にパワフルだった!

ヨガニドラのすごさを思い知った瞬間

人生初のインドで、初めてのヨガトレーニングの日々を送っていた時の話。

アシュラムの朝は早く、4時半起床。朝のマントラチャンティングに始まり、ヨガのアーサナクラスが始まります。

日中の座学では、独特のインド英語で聞く理論や哲学の授業は、まるで呪文のように、一瞬で夢の世界へ・・・

夕方は教るためのアーサナクラス、実技と講義が入り混じる、集中の時間。。

そんなスーパーハードな毎日で、私がサバイバルできたのは、ヨガニドラのおかげでした。

午前の講義の後、ヨガニドラの時間が始まりました。

インストラクションの練習として、生徒が順番にヨガニドラを誘導します。

誰もがすでに疲労困憊なので、ほぼ全員、ほぼ毎回、爆睡。いびきのハーモニーが響きます。

「眠らないで!」といわれても、毎日の日課、昼寝のつもりで受けていました。

ある日のヨガニドラタイムに、とても不思議なことが起こりました。

仰向けになって、インストラクションに耳を傾けていると、

どうも周りがうるさく、ペラペラしゃべり、ザワザワして、気になってしょうがない。

あまりにも騒々しいので目を開けると、なんと、みんなマットを丸め、片づけています。

「?!?!」

ポツネーン・・・

一人残されようとしていた私。。なんと、すでに終わっていたのです!!

ハッキリと意識を保っていたはずが、まるで時間が切り取られたかのよう。 

それでも、起き上がると、すっかり復活しているという、奇跡のような体験をしました。

これは、ただの寝落ちではない!! 確信が強まる毎日でした。(毎日爆睡)

マスターに学んだ、ヨガニドラの科学。

ヨガニドラでは、眠らないことがとても大切ですが、

寝てしまっても、耳は聞いており、潜在意識は働いているので、眠ってしまっても同じ効果は得られます。

効果は同じですが、眠らないで練習すべきです。

そう教えてくれたのは、インドのヨガニドラ研究の第一人者であるDr. Vijaya Raghavan。

この先生のヨガニドラのWSに参加したときの学びを、自分のためにも記録として、ここに記したいと思います。下記のすべては Dr. Vijaya Raghavan からのノートの内容です。

なかなか出会えないヨガマスターのとても貴重なお話なので、ヨガニドラを知りたい方に読んで頂けたら嬉しいです。

どんな人がやるといい?

瞑想に興味を持つ人は多くいると思いますが、最初のつまずきポイントは

・長く坐っていられない。

・集中できない

・どんな瞑想をしていいかわからない

ではないでしょうか?

ヨガニドラは、様々なタイプの瞑想のコンビネーション!

・集中しなくてよい

・寝たままでよい

という、とても入りやすい瞑想の練習になります。

瞑想が苦手。という人でも、とても簡単に、瞑想の多くの効果を得ることができます。

ヨガニドラは、呼吸の意識、マントラ、イメージ、視覚化、気づきの意識の拡張・・

などの、様々なタントラヨガのテクニックを含んだスピリチュアルメディテーション。

タントラヨガとは、古代から伝わる「幸せになるためのヨガの秘法」。

特定の方法に従って脳を刺激し、メンタルのゴミを取り除き、心の土壌を耕すように、

使われていない潜在意識の90%の機能に働きかけ、眠っていた能力が活性化されます。

深いリラックス状態のときに起こる、免疫力、自己治癒力の向上、

集中力、記憶力、IQが上がる!

心理的問題の解決、人間らしさ、心のパワーを高め、人格が変わる!

などの効果があると発表されています。

眠りの質

ニドラ=「眠り」の意味ですが、眠りには、レム睡眠とノンレム睡眠があります。

レムとは REM = Rapid Eye   Movement 急速眼球運動を伴う眠りのこと。

レム睡眠の時、体は休んでいても、脳が活発に動いている状態。

夢を見て、感情や記憶を整理しているといわれます。

ノンレム睡眠は、レム睡眠以外の睡眠で、より深い眠りで、脳も身体も休んでいる状態。

浅い~深い睡眠まで4ステージに分けられます。

目覚めている 2-5%

浅い眠り 45-55%

深い眠り 13-23%  

レム睡眠  20-25%   ←ここで夢を見る

通常の夢では、夢の内容と表現は、潜在的な心の緊張を再現して解放したり、無意識の本能や原動力を表現しているのですが、ヨガニドラでは、潜在意識に働きかけて、イメージを作り、能動的に夢を創ります。

眠りと脳波

ガンマ波 35-100Hz ストレス時、衝動的思考、行き場のない感情を抱えている時

ベータ波 12-38Hz 起きている、通常時、注意している時

アルファ波 8-12Hz リラックス状態 睡眠と覚醒の中間の状態   

シータ派 4-8Hz ウトウトとした浅い眠りの状態 

デルタ波 0.5-4Hz 熟睡状態 意識がない状態 〈無意識〉

ヨガニドラで眠らないで行うことを目指すのは、

顕在・潜在意識の両方が働く【アルファー波】にとどまるためです。

これは瞑想中に発している脳波。

脳が活性化され、記憶力・集中力・創造力・自然治癒力など、自分の持っている能力が最大限に発揮されるとき。

脳は普段、10%しか使っていませんが、使われていない90%の能力が目を覚ますのです。

偏桃体は、脳の動物的な感覚を司る部分です。「逃げるか、戦うか」というストレス反応を発します。

ストレスによって刺激されると、穏やかさを取り戻すことができなくなり、衝動的な、動物的な人間になってしまいます。

95%の病気は、ストレスが原因であり、リラックスしてマインドを穏やかに保つことが、すべての治療に役立ちます。

どんなに「体に良い」とされることをしても、食べても、

免疫力や、自己治癒力が高まるのは、深くリラックスしたときだけです。

そのために、最も有効なのが瞑想であり、ヨガニドラなのです。

決意の宣言・サンカルパ

瞑想中は、【アルファー波】がでていて、顕在・潜在意識の両方が働ている状態。

脳が活性化され、記憶力・集中力・創造力・自然治癒力など、自分の持っている能力が最大限に発揮されるとき。

この普段眠っている脳の90%の能力を使えば、必死に頑張る必要はないのです。

人生の目的を果たすためには、この「90%」に働きかければよいのです。

この状態で、「サンカルパ」という決意の言葉で、「強い意志」の種を撒くことで、潜在意識が人生を導くようになります。

例えば

「私の肝臓は健康そのもの」

「私は裕福な人間だ」

など、自分が成し遂げたい状態を短く強い言葉で言い表し、

叶うまで一つのサンカルパを続けることが重要です。

「どのくらいやるといいですか?」

朝晩2回行うとよいです。

ヨガニドラでは、リラクゼーションのための瞑想ですが、

インストラクションを聞いて、意識を働かせることがポイントです。

夜寝る前に、入眠のために行い、寝てしまっても効果はありますが

毎回寝ているなら、眠らずに行えるようにするべきです。

朝、目覚めてすぐの、意識がクリアな状態で行うようにしてください。

朝晩二回、20分程度の練習をするとよいです。

大きなプロジェクトを、最小の努力で成し遂げることができます。

健康を取り戻すためにも、ヨガニドラは

回復を強力にサポートするための。最も安全な「薬」となります。

子供でもできますか?

Q:

「4歳の子供にアンガーアタックがあります。

集中できない、じっとしていられないのですが、

ヨガニドラはできますか?効果がありますか?」

A:

「子供にガイドするのではなく、

同じ部屋で、その子の目の前で、あなたがヨガニドラを練習して、リラックスしてください。

子供がどんなに騒いでも、遊んでいても、コントロールしようとせず、自由にさせてください。

自分一人でやる時のように集中できないとしても、自分がヨガニドラを練習することによって、落ち着いた波動は子供に伝わります。

子供に穏やかさを与える目的で、あなたがヨガニドラを練習してください。」

小さな子供がヨガニドラをする場合、 じっとしていることが難しいですが ,子供は大人よりも簡単にリラックス できるので、5~15分程度の短時間 から始め、徐々に長く練習します。

体を動かした後に行うと、 リラックスしやすく効果も高まります。

神経の発達は 12歳ごろ完成します。 13歳を過ぎると 体が発達する一方、 マインドは喜びを失い 外側の世界に影響され、 リラックスすることが難しくなります。 そんなときでも ヨガニドラは安全で 簡単にできる瞑想法です!

12歳までの活発な子どもたちは 夜、寝る前に行うことが 向いている場合もあります。 感情を言葉で表現できずに 態度や行動で示してしまう子どもは ヨガニドラで眠ると、睡眠中に 心のストレスが解放されます。

ヨガニドラで眠った子どもに 家族が聖典や外国語を聞かせると、 ほとんど勉強せずに習得していた という研究結果もでています。 勉強が難しくなる ティーンエイジャーにとっては リラクゼーションの練習だけでなく ストレスのない学習にも効果的です。

ぜひ、簡単なヨガニドラ、ためしてみてくださいね!

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